2024年9月26日、福岡県八女市黒木町の八女市役所黒木支所において、黒木地区自治運営協議会が主催し、任意団体「あとおし」が支援するローカルダイアログ*ワークショップが開催されました。このワークショップは、黒木地区地域振興計画の策定準備を目的として行われ、地域住民とともに未来の黒木地区を見据えた振興策を考える場となりました。黒木地区自治運営協議会会長のもと、約25名の行政区長や地域のキーパーソンが集まり、活発な意見交換が行われました。

ワークショップの目的と背景
黒木地区は、人口減少や高齢化が進む中で、地域の活性化が急務となっています。どのような地域の未来を描き、どのように実現していくかが問われており、今回のワークショップはその答えを見つけるための第一歩として位置づけられています。「あとおし」は、住民一人ひとりの声を反映した振興計画を目指し、住民参加型の計画策定を進める中で、意見交換のきっかけとしてこのワークショップを実施しました。
ワークショップの進行と参加者の声
ワークショップは合計90分間にわたり、活発な意見交換が行われました。まず初めに主催者から趣旨の説明があり、その後、「あとおし」のメンバーがワークショップの進行方法を説明しました。参加者は、12枚の「目指したいまちの姿」が書かれたビジョンカードから、「どんな黒木地区にしていきたいのか」を対話しながら1枚「子どもから高齢者までが幸せで豊かな生活が送れる地域」を選びました。その後、グループに分かれて黒木地区の現状や課題について、カードゲームを活用しながら、まちの現状について、対話が行われました。

参加者からは、黒木地区の現状や課題に対して幅広い意見が寄せられました。
多くの住民が、住み慣れた地域で暮らし続けたいと感じており、特に「かかりつけ医」の存在が安心材料となっている一方で、病院の数が少ないことに不安を感じる声もありました。コロナ禍以降、地域全体で集まる機会が減少し、友人や知り合いとは交流できても、それ以外の住民とのつながりが希薄になっているとの意見もありました。情報発信に関しても、特に高齢者に対する適切な手段が不足しており、回覧やチラシが十分に読まれないケースや、ホームページやSNSなどが届かない層がいることが課題として挙げられました。

若者の働く場が少なく、地域に定住する選択肢が限られているという問題も繰り返し意見され、運動施設やジムの不足といった設備面での改善要求も見られました。黒木町の豊かな自然環境や美しい星空、地域の清掃活動に対する評価は高く、住民が地域の美観維持に努めていることが称賛されました。
また、地域交流センターやグラウンドゴルフ大会、伝統行事などを通じた住民同士の連携は活発であり、住民同士の協力関係が地域社会の強みとして認識されていました。最後に、新しく地域に移住してきた住民や外部の人々との関係をどう築いていくか、地域外とのつながりをどう強化していくかが、今後の重要な課題と考えられていました。

今後の展望
ワークショップ終了後も参加者同士で活発な交流が続き、今後も継続的に地域課題に取り組む意欲が示されました。参加者からは「地域について改めて考える良い機会になった」という声が聞かれました。「あとおし」は、今回のワークショップで得られた意見を整理し、今後の振興計画の骨子として反映する予定です。また、次回のワークショップ開催も視野に入れ、さらに多くの住民が参加できるような取り組みを模索していきます。
本ワークショップは、地域の未来を形作る大切な一歩となりました。これからも黒木地区全体が一体となり、持続可能で魅力的な地域づくりが進んでいくことが期待されます。

*ローカルダイアログとは? 自分たちが住みたいまち、暮らしたいまちの姿を考え、カードを使って対話しながら、まちづくり戦略を作っていくワークショップです。ローカルダイアログの詳細はこちら

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