福岡県福津市の津屋崎千軒エリアは、歴史ある街並みと地域資源を巧みに活用した自然体の取り組みが調和した魅力的な地域です。地域の特性を無理なく活かしながら、住民同士がつながりを深める温かい雰囲気が随所に感じられます。今回、「あとおし」のフィールドワークとしてこのエリアを訪れ、多くの学びとインスピレーションを得ました。その中で出会ったスポットや活動、そして感じたことをご紹介します。(訪問日:2024年11月17日)
福津市地域共創センター「キッカケラボ」のパネル展示
福津市に到着後、まずは、福津市未来共創センター キッカケラボ が実施する「ふくつウェルビーイング大賞市民投票所」のパネル展示を見学しました。21の市民団体が取り組む魅力的な活動が紹介されており、市民による投票も行われていました。
各団体の活動内容はどれも個性的で、地域をより良くしていくための工夫と熱意にあふれており、「あとおし」として八女での活動にも大いに参考になるものでした。地域住民が主体的に関わる取り組みを見つめ直す良いきっかけとなりました。

津屋崎の朝市「うみがめ」
港町らしい賑わいを見せる「うみがめ」朝市は、新鮮な海産物が豊富に揃う活気ある市場です。朝早くから営業しており、訪れたときには、いけすで大きな真鯛が悠々と泳ぐ姿が印象的でした。
海産物だけでなく、地元の新鮮な野菜や手作りの加工品も並び、地域住民や観光客が楽しそうに会話を弾ませる光景が広がっています。このような場が地域の日常を彩り、住民同士のつながりを深めていることを実感しました。
古民家カフェ「旧糀屋」
「旧糀屋」は、古民家をリノベーションし、現在はカフェ営業を主体としています。木の温もりを活かした空間でいただくメニューには、地域の恵みと店主の思いが詰まっています。
メニューは季節ごとに変わる「自家製シロップのジュース」や地元「豊村酒造」の酒粕を使ったドリンクも提供され、地域の味わいを楽しめるメニューが揃っています。
特に注目したいのは、毎週日曜日の朝8時から実施されている旬の朝ごはん会。地元住民や訪問者が集い、地域の食材を使った手づくりの朝ごはんを囲みながら交流を楽しめるイベントで、参加費はひとり700円です。このような取り組みが、地域のつながりを深める大きな役割を果たしていると感じました。

ゲストハウス「みんなの縁側 王丸屋」
築100年以上の木造建築をリノベーションした「みんなの縁側 王丸屋」は、1階がカフェ、2階が宿泊施設として利用されています。地元住民と旅人が自然に交わる空間が広がり、訪れる人々に心地よい時間を提供しています。
訪問時には、「ゲストハウスをうまく運営するこつはなんですか?」と店主に尋ねると、「とにかくやってみる」という答えが返ってきました。そのシンプルで力強い言葉がとても印象的で、挑戦することの大切さを改めて感じました。
店主の手入れが行き届いた建物や、リノベーションに込められた工夫を通じて、地域に根ざしたホスピタリティと暮らしの温もりに触れることができました。

アートイベント「のぞきあなART津屋崎」
「のぞきあなART津屋崎」は、街の軒先や店舗に設置された“のぞきあな”を通じてアートを鑑賞する、とても斬新な仕組みが特徴のイベントです。(期間:2024年10月6日~11月24日)
小さな「のぞきあな」をのぞき込むことで広がるアートの世界は、まるで別次元に引き込まれるような没入感があり、驚きと感動を味わいました。また、お店に立ち寄る際に「のぞきにきました~」と声をかけることで自然と会話が生まれ、訪問自体が楽しい体験に変わる仕組みが魅力的でした。
街全体をギャラリーとして活用するこのイベントは、地域そのものをアートと結びつける新たな視点を提供し、津屋崎の風景と文化をより深く楽しめる機会を生み出していました。

地域づくりに活かす学び
津屋崎千軒でのフィールドワークは、「あとおし」として多くの学びを得る機会となりました。地域資源を活かした新しい取り組み、住民同士のつながりを育む場の重要性、街そのものが持つポテンシャルを引き出す創造的な視点など、八女での活動に応用できる貴重な知見が得られました。
「あとおし」では、今回の学びをもとに、八女でのまちづくりをしたい地域住民をしっかりと支え、共に地域の未来をつくる活動を進めていきます。

津屋崎千軒の街歩きに便利なおさんぽマップはこちらから



コメントを残す