八女市黒木町豊岡地区の未来へ「あとおし」 ~地域の住民が作る地域振興計画~

まちづくり団体「あとおし」は、豊岡地区自治運営協議会と共に全3回のワークショップを実施しました。本ワークショップは、豊岡地区の地域振興計画の見直しを目的としており、豊岡地区自治運営協議会のもと、地域の住民一人ひとりの声を地域振興計画に反映することを目指した取り組みです。地域の住民が抱く想いや課題を共有し、豊岡地区らしい地域振興計画の原案づくりを目指したこのプロジェクト。その全貌を、各回の内容とともにご紹介します。

第1回「ローカルダイアログ・ワークショップ」 〜地域の現状を知る〜

第1回では、ありたい未来の豊岡地区の姿を考え、今の豊岡地区の現状を共有するワークショップ「ローカルダイアログ」を実施しました。まず地域の住民同士が意見を出し合い、カードゲームを用いて豊岡地区の特徴や課題について意見交換を行い、助け合いやコミュニティの強みが浮き彫りになりました。その後、12枚のビジョンカードを使い、多数決で「おかげさま・お互い様の気持ちで自然と声掛けや助け合いがある地域」というビジョンが選定されました。一方で「既成のカードを選ぶことに少し違和感がある」との声もあり、地域独自のイメージを求める意見も一部に見られました。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, Web サイト

自動的に生成された説明

アンケート結果では、参加者の80%が「だいたい満足」と回答し、特に「楽しく意見を出し合えた」「いろいろな意見を聞けて、自分の考えを見直せた」との声が多く、地域の住民同士の対話が進んだことが窺えます。また、94%が「少しは役に立ちそう」と感じ、「課題が見えやすくなり、まちづくりに役立てたい」との声も寄せられ、このワークショップが地域振興計画への意識を高める機会となりました。

グラフィカル ユーザー インターフェイス

自動的に生成された説明
グラフ, レーダー チャート

自動的に生成された説明

第2回「どんな人と何をするワークショップ」 〜アイデアの「妄想」〜

第2回では、具体的な課題整理とアクションアイデアを検討する「どんな人と何をする・ワークショップ」を行いました。まず、全戸アンケートから収集した地域課題を30項目に分け、「暮らし」と「地域資源」という2つのカテゴリに整理し、さらにポジティブ・ネガティブの20項目に絞り込みました。この過程で豊岡地区の現状や課題についての理解を深めました。続いて「妄想しよう!」という自由な発想を促すテーマで、架空の移住者を想定し、「豊岡でどんなことができるか、何をやりたいか」を考えました。

テキスト

自動的に生成された説明

ここでは、ため池周辺の遊歩道や安全な遊び場の整備、地元農産物の加工・販売拠点設置、神社や天満宮を活用した地域の住民が集まれる場の創出といったアイデアが提案されました。また、地域で親しまれていたスーパーの「サバ煮」の復活や特産品のPR強化など、地域文化の発信や、若者が参加しやすいデジタル活用も必要との意見も出ました。しかし実施後のアンケートの一部には、「このワークショップが地域振興計画に本当に結びつくのか」との疑問もあり、地域の住民の間で成果に対する期待と不安が交錯している様子がうかがえました。

第3回「振興計画ワークショップ」 〜課題の整理とアクションプランの策定、ビジョンの再設定〜

最終回のワークショップでは、これまでの成果を基に、「ビジョン」「課題」「アクションプラン」の3本柱を確立し、地域振興計画の原案を構築しました。冒頭では、アンケートから抽出した48枚の課題カードを「重大度」と「緊急度」に基づき分類。これにより、優先的に取り組むべき課題を明確にしました。その後、住民同士で優先課題に対する解決策を話し合い、実行可能なアクションプランを策定しました。

さらに、これらの課題が解決されたらどんな地域になるか、理想の地域の姿を考えるワークを実施し、新たな地域のビジョンをつくりました。

終了後のアンケートでは、「課題からビジョンへと段階的に進めていったことが良かった」「自由に意見交換ができた」「自分たちが取り組むべきことが見えてきた」といった声が寄せられました。また、「これまでの漠然とした考えが具体化された」「住民の多様な意見が重要だと実感した」「気軽に発言できる雰囲気が良かった」という感想も多く、住民参加型計画の意義が改めて評価されました。

このワークショップは、住民の主体的な参加による合意形成を進め、地域振興の一歩を踏み出す重要な契機となりました。

地域の住民が主体となったまちづくりを「あとおし」します

この3回のワークショップを通じて、豊岡地区の未来に向けた地域住民のまちづくりへの熱意が高まり、豊岡地区が目指すべき地域の姿が具体的に描かれました。まちづくり団体「あとおし」は、ワークショップを通して、豊岡地区自治運営協議会による計画策定をサポートしました。それによって、地域の住民が抱く豊岡地区への思いや地域資源の可能性が掘り起こされ、よりよい豊岡地区の未来づくりの第一歩となりました。このワークショップでの意見やアイデアは、今後、豊岡地区自治運営協議会による地域振興計画の原案として生かされます。

私たちは、ワークショップやイベントを通して、地域の住民自らが地域づくりに参加できるようにみんなで地域づくりについて対話できる場を提供します。そして、地域住民主体のまちづくりを目指し、地域の人々と共に、地域の未来を描く活動をあとおしします。今後のワークショップや活動にご関心のある方は、ぜひ各種SNSや「団体概要」ページからお気軽にご連絡ください。地域の住民が主体となり、地域の未来を共に創るお手伝いを今後も行っていきます。

コメントを残す